RHIと時間順序判断

人間の身体性に関する研究の1つに,ラバーハンドイリュージョン(Rubber Hand Illusion: RHI)と呼ばれる錯覚についての研究があります.ラバーハンドイリュージョンとはゴムから作られた模型の腕(ラバーハンド)を自分の腕だと錯覚する現象です.ラバーハンドイリュージョンは人間の腕とラバーハンドの同じ位置を,筆等で同時になぞることで生起させることができます.ラバーハンドの形状や向き、刺激の与え方などを変更したラバーハンドイリュージョンの生起条件についてさまざまな研究が行われています.

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他にも人間の身体性に関して,交差した両腕の指先に左右で時間差のある触覚刺激を与えると,刺激順序を正しく答えられない現象についての研究が行われています.これは触覚刺激の順序を,指先に与えられた刺激を直接使用して判断するのではなく,触覚刺激を空間的な位置に関連づけてから判断するためであると考えられています.

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われわれの研究では、ラバーハンドイリュージョンと刺激順序判断の実験を組み合わせることによって,ラバーハンドイリュージョンの詳細な生起条件や,刺激順序判断実験での腕の配置や視覚情報の影響などについて分析を行っています.人間の身体を使ってロボットアームや人型ロボットを制御したり,人間に追加された3本目の腕をコントロールするときに,このラバーハンドイリュージョンを利用できると考えています.
 
人間の腕によく似ているラバーハンドを被験者自身の腕と同じ位置に配置するため,仮想環境内に生成したCGの腕を利用して実験を行っています.その仮想環境はOculus Riftというヘッドマウントディスプレイを装着することによって被験者に提示されます.また被験者の腕の動きを取得しCGの腕に反映させるため,LeapMotionというセンサを使用しています.
 
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