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人工生命・人工知能・ディープラーニング

鳥は歌まねで名曲を作り出す

皆さんは日常的に鳥のさえずり(歌)を耳にしていることでしょう.これらのさえずりは鳥の種類によって固有であり,ときには曲のように聞こえることもあります.鳥の歌をデータとしてとらえると,時系列データとして扱うことができます.

これまでの研究で,二匹の鳥が相手の歌をまねつつ,相手からは真似されないように(敵対的模倣)学習をした結果生み出される歌がある種の複雑性をもつことを,コンピュータ上でシミュレーションすることで明らかにしてきました(図1).

図1. 鳥の歌まねのイメージ
本研究では,この敵対的な競争に協調的な関係を取り込むことで,それぞれの個体が生み出すさえずりに複雑性がどのように現れるのかをGANsと呼ばれるニューラルネットワークの構造を用いて調べています.(図2)

図2. 敵対的模倣の概念図
図2のように,個体AとBは敵対的な競争を行いますが,個体Cは個体Bに対して一方的に真似を行っており,これを協調関係と捉えます.これまでの研究のように,学習が進むにつれて,敵対的なペアAとBは,さえずりの複雑性を増し,カオス時系列となります(図3左).一方で,協調敵な個体CもBの複雑なさえずりを真似することで,図3右のように,歌がカオス時系列となることを示しました.

図3. 生成された歌の時系列
(左: 敵対的模倣によって生成された歌   右: 協調関係から生まれた歌)